No.8

公判で次々と露呈する「事件」の真相 3

自分の利益のためには平気で嘘もつく!

 YがJR東労組に所属していたのは、方針に共鳴したからでも、仲間を信頼したからでもなく、ただ自分の利益のためでした。

 

弁護人:証人が東労組に所属していることの意味について要約して言っていただけますか。

 Y :JR東労組というのはJR東日本において大きな影響力をもっていると思います。JR東日本で働く以上、JR東労組に所属しなければ不利益を受けるのではないかと思っていました。だから、いやな活動は徹底してさぼったのです。

弁護人:証人が組合活動をしなかった理由というのは、証人個人の考え方が基本にあるわけですよね。

  Y :組合活動に対して納得できないものであれば、自分としてはそれに従いたくないと思っていました。

弁護人:あなたが拒否した活動というのは、要するにあなたがやりたくないものということですね。

  Y :やりたくないというより、納得できないもの。

弁護人:証人は、東労組という組織は非民主的で自由にモノが言えないといってますね。

  Y :はい。

弁護人:証人は非常に自由にいろんなことをやってきたんではないですか。

  Y :東京車掌区時代は納得できないものであれば活動しなかったですけれど、浦和に行ってからは納得できないものであっても断るという雰囲気がなかなかなかった。

 

 やりたくない活動は拒否をしておきながら、JR東労組は非民主的で自由にものが言えないなどと平然と言う神経はどうなっているのでしょうか。組合への謝罪文も嘘で塗り固めたものでした。

 

弁護人:これはなぜ書いたのですか。

  Y :書いておくことによって、少しでも組合からの攻撃を免れるためです。

弁護人:一種の謝罪文ですね。

  Y :組合からの攻撃を弱めるための。

弁護人:そういう目的をもっていたんですね。

  Y :はい。

弁護人:この言葉はまったく口から出まかせだったのですか。

  Y :出まかせとは言っていない。

弁護人:あなたがその時本当に思っていたこととはちがう。

  Y :自分がこれから組合をやめさせられるかもしれない。退職までさせられる。そういった状況の中で必死になって書いているんです。

 

自分の利益を守るためには嘘も平気でつくことを公言しています。

 

弁護人:「今後はこのようなことがあった場合には東労組を脱退するだけではなく、JR東日本を退職する決意であります」と書いていますが、書いていることとやっていることとが矛盾しているのではないですか。

  Y :会社に残るために一生懸命で、必死になってあらゆる手段を考えた結果です。

弁護人:そうするとあなたが他労組とのしがらみを絶つと言ったのは虚偽だったということですね。

  Y :このように書くしか組合から許してもらえない。

弁護人:もし東労組にこれを渡したとしたら、もう一回嘘をつくことになりますが、わかりますか。

  Y :嘘をつくとかつかないとか、そういうことではなくて。必死だったのでそういうことを考える余裕はありませんでした。とにかく会社に残ることを最優先に考えました。

 

この男の語る「被害」だけを口実に、7人の仲間は8カ月以上も自由を奪われ、1000点以上の組合財産が警察によって持ち去られたのです。

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